駅員はわたしを世界から排除する決意を固めた

駅員は腕を伸ばして光の糸を放った

それはホームのカーブに合わせて かしいだ

駅員の手が

わたしの喉元へと

ひゅるるるる・・・・・

 ・・・・どうしてこんなに 身体が知っているんだろう・・・・

 ・・・・どうしてこんなに 駅員のぬくもりを肌におぼえてしまうのだろう・・・ 

 心からの親切なあたたかい言葉より

 薄笑いしてつめたく拒絶されるほうが 

 発熱する だなんて おかしなことだ・・・・

 もとより駅員は敵だった

 お客さん・・・の言葉ひとつで わたしとの間に線を引くことができる

 こころを開いたことなどありません

 お客さん・・・の言葉ひとつで わたしの身体はすぱっと切られる

 駅員は切る、乗客を切る、それが仕事だ、空間を切る。

      

 敵だから

 敵だから でしょうか

 冷たい駅員の身体の熱さが 思い出されるのは・・・・

 ふれたこともないからだのことを さっきのように思い出している

 駅員の手がどこまでも大きくなってわたしの口をすべて塞いだ夜があった

 駅員の手が殺虫剤を持ちわたしにむけて噴射したこともあった

 ・・・・お客さんは虫けらなんです駅員にとって!!

 ・・・・ああ、けがらわしい、にくらしい、お客さん!!

 そんなふうに言われたらどんなだろう・・・と

 枕の下に隠したシナリオ

 駅員はどうか敵でいてください、しょっぱいあなたでお願いします。

駅員はわたしを世界から排除する決意を固めた

秋らしく混乱した空に夕映えがみごとに輝いている

今日で東京が終わりになったら

駅員とわたしは いっしょになれるでしょうか

世界の終りのような空ゆく雲を見上げながら

駅員とわたしは いっしょになれるでしょうか

駅員にとってわたしは砂のひとつぶ

秋風が吹いたら

みんな みんな 消え去ってしまった